サッカーやラグビーをしている選手の中には、股関節の硬さで悩んでいる選手も多いのではないでしょうか?
とは言え、ただ柔らかいだけでは物足りません。股関節をしなやかに、かつパワフルに動かすことができればプレーの幅もグンと広がります。
今回は、ハードルを使って股関節の可動域を向上させるモビリティトレーニングを紹介したいと思います。
ハードルという目標物があることで、どこまで足を引き上げるのか、軸足はどう動かすのか、までしっかりと意識してトレーニングをすることができます。
※ハードル選手用のトレーニングではなく、あくまで球技をしている選手向けのトレーニングになりますのでご注意下さい
ハードルトレーニングを成功させるポイント
ハードルを使った股関節トレーニングを成功させるポイントは主に3つあります。
ここをおさえておかないと、せっかくハードルを使って辛いトレーニングをしていても無駄になってしまいます。
軸足の足裏はしっかりと地面をとらえる
一番多いのが、脚を引き上げる際に重心が外に逃げてしまい、小指に体重が乗ってしまうパターン。
どうしても足裏の意識が弱いという方はこちらのトレーニングを参考にしてください。

お尻が落ちないように
足をあげようとすると、その反動でお尻が落ちて重心が低くなりがちです。
軸足の股関節を伸ばし、できるだけ重心を高い位置にキープしたまま足の振り上げ(引き上げ)動作を行いましょう。
逆にハードルをくぐる時はめいっぱい重心を下げてください。
上半身はリラックス
足をめいっぱい動かそうとすると、どうしても上半身に力が入りがちです。
力みがあると自然な腕振りができなくなってしまうので、できる限りリラックスした状態でトレーニングしましょう。
リラックスが一番難しいので、手を握り込まないというところからはじめていくのがやりやすいですよ。
ハードルトレーニングのやり方
今回紹介するトレーニングは全部で10種類。
- 片脚ハードルまたぎ(前、後ろ、前後)
- 脚上げ(片脚、両脚、速く)
- 両脚またぎ
- ハードルくぐり(くぐり、反転くぐり、またいでくぐって)
ハードルを一つだけ使ったトレーニングになりますので、そこまで広い場所も必要ありません。
片脚ハードルまたぎ
バランスを崩さずに股関節を大きく動かすトレーニング。上半身が傾いても、軸足がしっかりと地面をとらえていればバランスを戻すことができます。
まずハードルから15cmほど離れて真横に立って下さい。そこから片脚を後ろから大きく回して、ハードルをまたいで正面まで戻します。
ハードルを越える段階で膝が天井を向かないように膝をたたみ、股関節が開かないようにしておくと内転筋をうまく使えるようになります。
次に、今の動きを前から後ろに回していきます。
これも同じように膝の向きは出来るだけ正面を向いたまま、膝を開いていくと股関節をうまく使えるようになります。
最後に、後ろから前と前から後ろを交互に行なっていきます。
特に後ろに回そうとした時にバランスを崩しやすいので、軸足の内転筋や拇指球を意識しておくとバランスを真ん中に保ちやすくなります。
どの動きでもそうなのですが、上半身はリラックスした状態でトレーニングをするようにしましょう。
脚上げ
軸を崩さずに脚上げをするトレーニングです。お尻が落ちないように、軸足の股関節をしっかりと伸ばすように意識しましょう。
ハードルの横に、ハードルに向かって立ちます。ここから片脚を振り上げて、自分の足元まで戻してを繰り返します。
まずは同じ脚だけ振り上げていきます。
次に、片脚を振り上げて元に戻ったら逆の脚も同じように振り上げて元の場所まで戻します。
これを交互に繰り返していきましょう。
最後に、片脚だけを速く行なって下さい。
速く行うとだんだんお尻が落ちやすくなってしまいますので、腰の位置はできるだけ高い位置をキープするように意識します。
両脚ハードルまたぎ
股関節を横に大きく動かすトレーニングです。特に後ろに移動する際に上半身が倒れすぎないようにしましょう。
ハードルの正面にたち、片脚ずつまたいでいきます。
次に後ろ向きのまま片脚ずつハードルをまたいで元の位置まで戻ります。これを繰り返します。
ハードルくぐり
股割りをするようにして、深くしゃがみこむことで股関節や体幹周りを安定させることができます。
ハードルをくぐる際には脚を大きく広げて深くしゃがみこむことを意識して下さい。
次に反転を加えていきます。
反転をすることで重心移動をした際に、脚を引きつける感覚を得やすいと思います。
最後にハードルをまたいでから、しゃがみこんでくぐって元の位置に戻ります。
上への動きと下への動きを繰り返すことで、股関節を複合的に鍛えることができ、股関節の強化をすることができます。
ハードルトレーニングの効果
股関節はストレッチをして柔軟性を高めるだけでは、なかなかパフォーマンスに生きてくれません。
体は硬いのに、いざ動いてみるととてもしなやかに動ける選手とかいるじゃないですか。
ダイナミックに動かすことで、股関節周辺の筋肉が協調して動くようになるので、動的な可動域を広げていくためには動かしながらトレーニングをするのが一番です。
メリット
ハードルを使うことのメリットとしては、やはり目標物があることでいつも以上に股関節を動かす意識が高まること。
自分の動かしたいように動かしているだけでは、いつもと同じ動きしかできません。
トレーニングはいつもよりも少し負荷をかけてあげることで、より効果を感じられるようになりますので目標物を使うことでいつも以上のトレーニングをすることが期待できます。
デメリット
逆にハードルトレーニングのデメリットとしては、
- ハードルを準備するのが難しい
- 選手の身長が違うとハードルの高さに差が出てしまう
といったところです。
ハードルが手元にない場合には、ロープやイスでも代用できますので、工夫しながら飽きがこないようにトレーニングをしていきたいものですね。
終わりに
なかなかハードルトレーニングをする機会はないのですが、ハードルがあることで得られる股関節の可動性を感じることができると思います。
筋トレやプライオメトリクスとともに、下半身を強化して、強靭な肉体を手に入れましょう!