股関節とともに肩周りの可動域はパフォーマンス向上のために欠かせません。
・テニスのスイング動作の改善
・ピッチャーの正しいスローイングメカニズム
・バレーボールのスパイク動作
肩周りは前後や左右の動きだけでなく、ひねりの動作をスムーズにすることで大きなエネルギーを発揮することができます。
肩周りのダイナミックストレッチのやり方
腕をひねりながら、前後方向や上下方向に腕を動かしていきます。
ポイントは2つ。
・肩甲骨を意識する
・首に力を入れない
最初はゆっくり、慣れてきたら徐々にスピードを上げていきましょう。
前後方向のストレッチ
肩甲骨を下方向に寄せるようにする練習になります。
①両手を前に出す(手のひらを内側に向けておく)
②手のひらを外に返しながら腕を曲げて後ろに引いていく
③この時肩甲骨の下側を寄せるように意識する
※肘が上がって首に力が入らないように注意
この画像は首が力んでしまって、肩甲骨が上に寄っている状態です。これでは肩甲骨周りの可動域は改善できません。
特に胸椎を伸展させて肩甲骨の下側を寄せるように意識しつつ、胸を開くようにするとやりやすくなります。
ワイパーの動き
野球で言う所のコッキング動作(振りかぶる前の腕を内旋する動き)を意識するようにしましょう。
①手のひらを外に向けて肩甲骨を寄せておく
②そのまま腕を外旋させて(手を上にひねって)いきます
※慣れてきたら一つ目の運動(前後方向)と組み合わせてやってみましょう。
上下方向の運動
首を長くして、肩甲骨を下に落とすようにして寄せていくと腕の回旋もスムーズに行いやすくなります。
①両手を上に伸ばす(手のひらは内側)
②背中はまっすぐのまま、手のひらを外に向けながら肘を曲げて腕を下ろしていく。
※首に力が入りがちなので、出来るだけ首に力が入らないように注意
出来るだけ真下に肘を下ろすことがポイント。肩の痛みを感じるようでしたら、無理のない範囲で動かすようにしてください。
腕の内旋・外旋の重要性
肩は球関節と呼ばれ、構造的には360°動かすことができるようになっています。ところが、
・姿勢が悪くて肩が前に出てしまったり
・怪我で肩を固定する期間が長くなったり
・肩の脱臼を経験する
と肩周りの可動域は極端に狭くなってしまいます。
肩周りには三角筋というアウターマッスルだけでなく、奥の方にローテーターカフと呼ばれる4種類のインナーマッスルが存在します。ローテーターカフは大きな力を発揮するよりも関節を安定させるために存在します。
これらのインナーマッスルはねじれてついており、ひねりの動きによって効果が発揮されるのです。
動かしていなければひねりの動きはどんどん制限されて、インナーマッスルの機能が低下してしまいます。
まずは姿勢をただして、肩周りを正常な位置に戻すこと。
その上で、前後方向や上下方向にひねりの動きを入れながら動かすことで、肩周りの正常な動きを手助けしてくれるはずです。
それぞれの動きは1セット20回を目安に2セット行うようにしましょう。