ウォーミングアップを行う目的

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運動前にウォーミングアップをすることは、競技をする上でとても重要なことです。学生時代には列に並んでグランドを何周もしたり、ストレッチをしていた光景を思い浮かべることと思いますが、

早く競技の練習に入りたい
ただ身体が温まればいいのだからわざわざ時間をとりたくない
あまり意味を感じない

という選手も多く、まだまだウォーミングアップの重要性が理解されていないように思います。ウォーミングアップは確かに身体を温めることが目的ですが、ただ温まるだけでよいかというとそういうわけでもありません。

ここからウォーミングアップの目的や意味を紹介していきますので、ケガの予防やパフォーマンス向上のために少しでも参考にしてみて下さい。


ウォーミングアップの意義

ウォーミングアップの一番の目的は言うまでもなく筋温を上昇させて、怪我を予防することにあります。怪我を予防できることで練習や試合効率も上がり、結果パフォーマンスが向上します。

他にも心理的な準備をしたり、体との対話であったり、とても大切な要素が含まれています。

筋温の上昇

 ウォーミングアップで最も必要とされていることが筋温の上昇です。筋温を上昇させることでただ、身体を温めればいいかというとそういうわけでもありません。その理由を説明していきます。

①酸素の利用効率が高まる
 筋温を1℃上昇させると細胞のエネルギー代謝率13%増加すると言われており、酸素をたくさん体内に取り込めるようになります。それに合わせて温かくなった血中のヘモグロビンから酸素が解離されやすくなるので、運動に必要な筋肉への酸素の供給がスムーズになります。
 筋温の上昇に合わせて最高心拍数も最大酸素摂取量も増加していくと言われており、特に筋温で約38℃というのが目安となっています。

②関節可動域の向上
 筋温の上昇とともに各関節には滑液と呼ばれる関節の潤滑油が分泌されるようになります。この滑液が分泌されることで関節がなめらかに動くようになるのですが、筋温が約38℃の状態で運動を続けていると滑液の分泌が活発になるようです。

③筋出力の向上
 筋温が上昇すると筋肉の反応時間が速くなるので、パワー発揮が高まります。リアクションがよくなるので、相手の動きに対する反応やボールに対する反応なども向上します。

 ここまでで筋温が38℃以上になることがウォーミングアップの一つの条件と言えそうですが、筋温は運動開始から約15分ほどで一定になり、そこから30分ほどは保ち続けます(運動をやめても)。
 逆に一気に上昇させてしまうと、すぐに落ちてしまいますし、心臓や内臓にかかる負担も大きくなってしまいます。よくウォーミングアップは15分以上やりましょうと言われていますが、その理由はこんなところからきています。

自分の肉体との対話の時間

自分の身体ではありますが、身体の状態は日々変化しています。ウォーミングアップでいくつかの動きをしている中で、身体がどんな状態かを把握していくことはとても大事です。

アップ中は身体がとても軽いけど、いざ始まってみるとフワフワして地に足がつかない感じ、、、とか、逆にアップ中は身体が重かったけど、始まってみると思い通りに動けるなどなど。感覚の差異はよくありますので、日々注意深く身体と対話していくことが必要になってきます。

心理的な準備

身体的な面だけでなく、集中力を高めて練習に臨むための意欲をかきたてる心理的な側面もあります。筋肉は脳からの指令によって動くことができるので、気持ちが高まることで筋肉の活動も活発になります。

よくあるイメージトレーニングがまさにその方法の一つですが、いいイメージを頭に描くことで、身体もそのイメージのように動きやすくなります。

ウォーミングアップに適した運動

ウォーミングアップでは筋温を高める・関節の可動域を広げるために、ダイナミックストレッチが推奨されています。スタティック(静的)ストレッチがその場で一つの筋を伸ばすことが目的なのに対し、ダイナミック(動的)ストレッチは関節を中心に動かすことで可動域を広げることを目的としています。

以前はジョギングをしてストレッチするという流れが一般的でしたが、最近ではダイナミックストレッチを取り入れることで身体をいい状態に持っていけるということがわかってきました。

逆に静的ストレッチをやると競技パフォーマンスが落ちるからやる必要はない、、、という論文も出始めそれを鵜呑みにして静的ストレッチを敵視している方も出てきていますが、これはあくまで研究レベルの話し。静的ストレッチを45秒間やり続けたら筋の力発揮が落ちるというだけで、短時間での静的ストレッチに関してはまだまだ議論の余地が十分にあります。そもそも静的ストレッチだけですぐに練習に入るなんてことは、ここまでの話しを見ていただければ意味がないということがわかると思います。


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ABOUTこの記事をかいた人

東京都府中市にあるコンディショニングサロンめんてなの運営、アメフトや野球チームでのトレーナー活動を行っています。このブログを通じて、ケガを予防するためのセルフコンディショニングの方法がもっと一般的になればと思っています。